2013年10月22日火曜日

2.全ての道は印相体に通ず

印相体は、HANKOだけに使用される日本独自の書体です。
文字を円いっぱいに配置して、八つの方向のHANKOの枠に文字を接する書体です。
八つ方向それぞれに意味があり、枠と文字が接することで、
その部分の縁起が良いと言われています。
また、手で彫った印相体のHANKOは偽造されにくいです。
現在、日本で注文して作るHANKOは印相体が主流です。

印相体のもう一つの特徴は、辞書がないことです。
辞書がないために、HANKO彫りアーチストの個性が出しやすく、
機械彫りHANKOとの違いがわかりやすいです。

篆書をもとにして、文字を伸ばすのが一般的です。
当店ではどんな書体からでも、印相体にできます。
色々な書体をベースに印相体で書いてみました。
そう、全ての道は印相体に通ずです(笑)
印相体のアレンジは無限大で、HANKOの一本一本が全て違うと分かるように、私は彫れます。

2013年10月19日土曜日

1.はんこの書体

伝統的にHANKOに使われる書体は、限られています。
例えば、明朝体やゴシック体で印鑑は作りません。
使われている書体を大別すると、篆書体、隷書体、楷書体、行草体、古印体、印相体です。

それは、中国における漢字の歴史からきています。
万里の長城を築いた秦の始皇帝により、小篆(大別すると篆書)が編纂されました。
そして、その小篆を読み書きしやすくした隷書体がその時代に生まれました。

小篆は、石に彫りやすい形、印篆に進みます。
隷書から楷書、隷書から行書、草書が生まれていきました。

そして、日本に渡り、金属に彫ってあった隷書が欠けているのを見て、それはそれで味わいがあると思い、古印体という日本独自の書体が生まれました。
それぞれの書体で書いたものです。


次回は、日本独自な印相体についてです。