2013年11月23日土曜日

ペンと枡と波

文字プラスモチーフを印鑑に彫る時の技法として、文字の一部分をモチーフに変える方法があります。

今回は斜めの線をペンに、
口部分を枡に、ハネを波にしました。


経験により、ある形が文字の一部分に当てはまるか、分かるようになってきました。
アイデアが重要な技法です。

お客様の我儘を聞いてきた成果です(笑)

2013年11月11日月曜日

シンガポールの新聞社さんの取材

シンガポールの新聞社の日本駐在員さんのはんこを作りました。
それがご縁ではんこ屋の取材して頂きました。

こちらがThe Straits Times紙さんの記事のリンク先です。
http://www.stasiareport.com/the-big-story/asia-report/japan/story/japan-the-seal-mightier-the-pen-20131110

2013年11月8日金曜日

日本的なお土産物市場に参入?

先日、表参道ヒルズに初めて行き、その通りをはさんで向かいにある日本的なお土産物専門店と思われるようなお店にも立ち寄りました。

陶器が中心で、日本的な模様の物ばかり、和風好きにはたまりません。
そして、安い。
思った価格の3分の1くらいの金額です。ノーブランドとはいえ、どうしてこの価格で販売できるのかと思えるほどです。
店内は購入している外国人観光客さん達が数組必ずいます。
このデザインでこの価格なら納得です。
もし、ほぼ同じ柄でほぼ同じ形のものが3倍の価格で、安いものと一緒に並んでいたら、高い方を選択する人がいるのでしょうか?
そこが知りたいところです。
もし、なぜ金額が違うか聞かれたら、細かいディテールを説明するより
感じて下さいと答えて。
良いものは使ってみると違いがあるはずです。

しぶちかはんこ屋でも、外国人観光客さん達をターゲットにしていこうと考え始めました。
毎年年賀状用のスタンプを店頭に並べている時期になると、外国人観光客さん達が「謹賀新年」「迎春」「元旦」の意味を聞いてきます。
それで、何も購入せず、あるいは漢字の形だけで購入して頂けることもあります。
そこで、外国人さん達が好きそうな漢字を仲良しのお客さん達に聞き、日本の漢字のゴム印を作ってみました。
漢字の意味と読み方を英語で表記してみました。1コ420円です。
これが売れると確信できましたら、
3倍くらいの値段で自分でデザインしたゴム印を作ってみます。

こんなオリジナル住所印は2〜3万円くらい。職人さん時給高いです(笑)

2013年10月22日火曜日

2.全ての道は印相体に通ず

印相体は、HANKOだけに使用される日本独自の書体です。
文字を円いっぱいに配置して、八つの方向のHANKOの枠に文字を接する書体です。
八つ方向それぞれに意味があり、枠と文字が接することで、
その部分の縁起が良いと言われています。
また、手で彫った印相体のHANKOは偽造されにくいです。
現在、日本で注文して作るHANKOは印相体が主流です。

印相体のもう一つの特徴は、辞書がないことです。
辞書がないために、HANKO彫りアーチストの個性が出しやすく、
機械彫りHANKOとの違いがわかりやすいです。

篆書をもとにして、文字を伸ばすのが一般的です。
当店ではどんな書体からでも、印相体にできます。
色々な書体をベースに印相体で書いてみました。
そう、全ての道は印相体に通ずです(笑)
印相体のアレンジは無限大で、HANKOの一本一本が全て違うと分かるように、私は彫れます。

2013年10月19日土曜日

1.はんこの書体

伝統的にHANKOに使われる書体は、限られています。
例えば、明朝体やゴシック体で印鑑は作りません。
使われている書体を大別すると、篆書体、隷書体、楷書体、行草体、古印体、印相体です。

それは、中国における漢字の歴史からきています。
万里の長城を築いた秦の始皇帝により、小篆(大別すると篆書)が編纂されました。
そして、その小篆を読み書きしやすくした隷書体がその時代に生まれました。

小篆は、石に彫りやすい形、印篆に進みます。
隷書から楷書、隷書から行書、草書が生まれていきました。

そして、日本に渡り、金属に彫ってあった隷書が欠けているのを見て、それはそれで味わいがあると思い、古印体という日本独自の書体が生まれました。
それぞれの書体で書いたものです。


次回は、日本独自な印相体についてです。

2013年9月14日土曜日

Peace Love

Peace Loveという声優のたまごさん達のユニットのために、
版下を手書きして、ゴム印を作りました。
仲良しのお客様への応援のためです。
ゴム印なので、手で彫る印鑑より、出来が甘いです。
デザイン的にはステキな出来上がりです。


こんなゴム印私も欲しいと思っても
金額も高いですし、イレギュラーな仕事なので、なかなか注文を受けようとしません。
めんどくさいはんこ職人です(笑)

2013年9月4日水曜日

あるきだした小さな木

「あるきだした小さな木の絵本をモチーフにはんこを作って欲しいのですが」
「え〜」
「あるきだした小さな木で検索すると、ここのブログが出てきて、是非お願いしたいのですが」
「昔のことで、どんなはんこを彫ったかさえ、忘れてるけど」
「私もその絵本を何度も読んで育ったので、ここしかないと思い」
「絵本も家に持って帰ってしまったんですけど」

資料を見ながら
「歩いている小さな木がいいんですか?」
「そうです」
「この歩いている木の絵、あまり好きではないです。大きな木は好みですけど」
どうしようかな。
「確かアニメーションでは、3つの絵で歩いている感じを出せると聞いたことがあります」
ネットで検索して木を歩いている感じにできるなとざっと書いてみます。
もうひとつ絵本の歩いている木風に書いてみます。
「あなたが望んでいるのは、この宇宙人みたいな木でしょう」
「そうです」
「あ~あ、アニメーション風の歩きを取り入れたはんこ、ステキに出来たのにな~(笑)」
「それ取って置いてください。次にお願いする時ように」
「取っておかないよ。ライブ感を大切にしているので」

そして出来上がりました。
もともとはフランスの絵本だそうです。
今度はフランスから注文が来てしまうかなと考えましたが
フランスでは、この絵本絶版のようです。

2013年8月22日木曜日

カウンセリング料

ついつい余計なことを言ってしまった鴨居先生のファンのお客様、ご自身のはんこはもうたくさん作ってしまい、はんこ屋に来る用事はなくなりました。
でも、はんこ屋に相談したいことができてしまい、メールで相談に行ってもイイですか?と打診がありました。

余計なことを言ってしまった責任上、相談にのるしかありません。
大安と日曜日以外なら来ても大丈夫ですと返信しました。

来ちゃいましたと、翌日現れました。
はい、これ相談料と要冷蔵品、頂きました。

良し、手ブラじゃない。
これでカウンセリングも仕事と思えます(笑)

簡単にとれない資格をとって、先生と呼ばれる仕事につきなさいと、何度も言いました。仕事が上手くいかなくなるともやっとしてくるのが、問題だからとも言いました。
そして、話しているうちに、ホントの一番の問題も分かりました。
本気のアドバイス、少しでも、心に届けば良いのですが。

スイカのゼリー、1人で頂くと、のどかな夏が自分1人に広がりました。

また、翌日現れました。
「どうしたの?スイカのゼリー、夏を感じつつ美味しかったよ。ありがとう。」
「相談にのってもらったお礼とスイカのゼリーの感想が聞きたくて、ついでがあったので、来ました」

「最近家族がはんこ屋さんのこと、怪しんでいて」
「はんこ屋さんのことを好きになってしまったから(笑)」
「違いますよ。霊感の方で、家にお守り貼ったこと言えません」
「えっ、二日続けて来るなんて、はんこ屋のこと好きになってしまったんでしょ」
重たい話はする気がありません。
こんな風に言えば、そうは来れないはずです(笑)

2013年8月10日土曜日

フォレストビュー


那須高原に夏休みで来ています。
ホテルの部屋に入り、窓を見るとびっくり、オーシャンビューのホテルは良くありますが、ここは一面が森です。
フォレストビュー?
ステキです。
普段、人の海、森とも言える渋谷にいますので、自然でリフレッシュです。
フォレストビューと勝手に言っていたら、家族からその表現はないと言われてしまいました。
那須高原なので森ではなく高原。
高原が一望でプラトービュー。
厳しい家族です:D

那須といえば、那須どうぶつ王国。
アルパカ、カピバラ。
これはアルパカレー良くできています(笑)
目がズレてウィンクバージョンです:D

2013年8月2日金曜日

ネコとイヌ

日本の伝統である いけばなで、最初に学ぶことは左右対称にしないことです。

神社や仏閣の建物はシンメトリーで安定感があります。
しかし、自然なものに完全なシンメトリーはありません。

日本人はアシンメトリーありながらバランスの良いものに惹かれるのです。

漢字にはシンメトリーな字がたくさんあります。
シメトリーな文字を印鑑に彫る時、私はアシンメトリーにすることを意識します。
なぜならば、シンメトリーに印鑑を彫ってしまうと、
文字ではなく何かのマークのように見えてしまうからです。
アシンメトリーに彫ることでお客様がオリジナリティを感じることができます。
ネコとイヌのモチーフが入り、どう見てもアシンメトリー:D

2013年7月30日火曜日

GENERATIONつながり

私は、祖父、父と継いできた家業のはんこ屋の職人です。
1957年から同じ場所(渋谷スクランブル交差点の下)で同じ商売を55年続けています。
私は3代目はんこ職人になるわけです。

3代目を英語のすると'The third generation'となることを知りました。
generationでまず思い浮かべるのはTHE WHOの’MY GENERATION’です。
風車奏法が目に浮かびます。

もっと私にとって重要なことに気付きました。
大好きな少女時代の英語表記はGIRLS' GENERATION、やりました。
GENERATIONでつながりました。
やった:D

これは、初代のおじいちゃんが彫った大きい印鑑です。

線の使い方、一つ一つが勉強になります。

2013年7月26日金曜日

新しいトレンド

日本では夫婦別姓は認められていません。
但し国際結婚の場合は、相手側の国に認められていれば、夫婦別姓も可能です。
ただ、日本で主に生活するのであれば、同姓にした方が何かと便利です。

結婚した場合男性側のファミリーネームに統一することが多く、
そのため女性の苗字が変わることが多いです。
女性が結婚を機に、新しい姓でとても良い印章を作ると、
この人と一生添い遂げなければならないという気持ちが湧いてくるそうです。
なぜならば、離婚して姓を元に戻してしまうと、
せっかく作った良いはんこが使えなくなってしまうからです。
目に見えるデメリットです(笑)

印鑑はサインと同じように、パーソナルなものですから
例えご夫婦で同じ姓であっても、同じ印鑑を使うべきものではありません。

そこで、姓プラスモチーフを入れた印鑑にして、より個性的にして
夫婦の印鑑の違いを出す方がいます。

そのモチーフとして、自分のファーストネームの意味するものにするケースが続きました。
新しいトレンドでしょうか?
こちらの印鑑でファーストネームが想像できますか?


梅の花は関係ありません。


2013年7月24日水曜日

蓮を彫り台湾からのお土産届く

以前の当店で印鑑のご注文をしたことのある女性が来店されました。
弟さんが結婚することになり、お嫁さんは台湾の女性。
お嫁さんの漢字の名前に「蓮」がつくので、
ロータスと名前を彫ったはんこをプレゼントしたいそうです。

少女時代好き仲間の仲良しなお客様として、より気持ちを入れてお彫りしました。


そして、台湾のお嫁さんに渡すと大変喜ばれたそうです。
モチーフ入り印鑑をプレゼントとして本当に良かったと思ったそうです。

そして、台湾のお土産が届きました。

日本にも近い味がありますが、どれも独特です。
世界のお土産待ってます(笑)

2013年7月23日火曜日

特別な龍


もし、このようなあなただけの特別な龍が入っているはんこが欲しいとお思いでしたら、
例え海外からであっても、ご注文にはご来店頂かなければなりません。
(出来上がったハンコを送ることは可能です)

そして、職人に特別なお願いをする時には手土産が重要です(笑)
この龍の印鑑の方は3回もお持ち頂きました。
お土産と共にご来店をお待ちしております。

2013年7月19日金曜日

12ミリ丸の中の龍

龍は上昇運の象徴です。
パワーの源といわれている玉を持って、上に昇って行きます。

自分の名前と龍が入った印鑑を手に入れてみませんか。

2013年7月17日水曜日

12ミリ丸の中の富士山

東堂印章の公式WEBSITEの英語版の特徴の一つは、
モチーフ入り印鑑がネットから注文できることです。
日本語版ではネットからモチーフ入り印鑑の注文はできません。

英語版は海外向けですので、モチーフ入り印鑑を注文する場合はご来店下さい。
でも特別に富士山と龍と桜の限定モチーフでしたら、ネットから注文受けますよという感じです。

そしてその見本として12ミリ丸の中に富士山とファミリーネームを彫りました。
はんこ屋のデザインの実力を感じてください。
そしてこれは12ミリ丸の中の世界であることに気付いてください。
スゴイでしょ(笑)

2013年7月15日月曜日

アーチストかマイスターか

アメリカのシアトル在住中の日本人女性に、
当店のホームページの英語版の作成をお願いしました。
すると、職人をartistと訳してありました。
以前、アーチストと職人の違いを考えたことがあります。
アーチストには自分から表現したいものがあり、職人にはない。
職人はお客様から依頼されたものを作るだけなので、
イマジネーションはそれほど必要がなく、行き詰まることがない。
アーチストは往々にして、行き詰まることが多い。

自分は、お客様から注文を受けたハンコを作るだけなので、自ら表現したいものはなく、
行き詰まることもないので、職人です。
ちょっと普通の職人と違うとしたら、
お客様が望んでいるものより少しだけ良いものを作ろうと思っていることです。

職人はマイスターと思っていました。
ちょうどホームページの作成を依頼した会社の人が来られたので聞いてみました。
「職人はartistと訳してありましたが、マイスターではないんですか?」
「マイスターというドイツ語もありますね」
げっ、ドイツ語だったんだ。カタカナ外来語は、みんな英語と思っていたよ(笑)

あるお客様にこのアーチストとお話をしたところ
「アメリカでは寿司職人さんはsusi artistですから、はんこ屋さんも十分アーチストですよ。」
「そうなんですね。寿司職人さんがアーチストならば、ぼくもアーチストでいいですね(笑)」

ひとつの目標は、日本美術に特化しているボストン美術館から100万円印鑑の注文を
受けることなので、アーチストでやっていこうと思います。


タイプAで宝玉の中に日本語でボストン美術館と入れ、
外側の雲の中に英語表記でボストン美術館と隠し入れ、
さらに日本的なものとボストンで有名なものを入れるステキなはんこを作る自信があります。
いかがでしょうか?
はんこアーチストがお作りします(笑)

2013年7月13日土曜日

私のお店はこんな所にあります

東京、渋谷駅にハチ公広場があります。

ハチ公広場には、忠犬として有名なハチの銅像があります。
私のお店、東堂印章の初代はんこ職人である、私のお祖父は、生きていたハチにおでんをあげたことがあるそうです。

ハチ公の銅像の先に、有名な渋谷スクランブル交差点があります。

映画のロケ地としても、またその安全性からも有名です。

そのスクランブル交差点の下にしぶちかという日本で1番古い地下街があります。この地下街ができたのは1957年のことです。できた頃は、とても賑わいがあったそうです。

現在では商店街というより通路という意識で歩かれている人達が多いです(苦笑)
もう有名ではありません。

そのしぶちかの中に、私のはんこ屋があります。

鴨居まさね先生の「君の天井は僕の床」というマンガのモデルになったこともあり、ちょっと有名です。

今日、渋谷スクランブル交差点の下で、お客様からご注文頂いたはんこを手彫りしています。